約20年前の話。
旦那さんが中学生のころ、理科の授業でこんなクイズが出たそうな。
「この世界のほとんどは原子が集まってできています。でもあるものだけは何でできているか分かっていません。それは何でしょう?」
※うろ覚えであることかつ、20年前の情報なのであしからず
数人の生徒の答え「火!」「光!」
先生「はい、正解!!」
旦那さんが心の中でつぶやいた答えは「ひと」…。手を挙げなくてよかった(笑)
この話を聞いてふと、昔読んだ興味深い本の一節を思い出した。
ー古い日本語では霊は「ひ」と読んでいた。
「ひ音のひびきは、ひかりの波動と大気流との共振現象における生の揺籃の光景を呼び起こす。『ひ』には古来『霊』という漢字があてられ、活力のもととなる不思議な力、原始的な霊格のひとつ『神』と考えられてきた。神を招来するための『ひもろぎ』の『ひ』や、万物を生みなす不思議な霊力である『むすひ(産霊)』の『ひ』が、その『霊』の音象であるというのは、そのためだ。これは、太陽神の信仰によって成立した観念で、『ひ』は『日』、もとは太陽だといえる。太陽の神秘的な力を授かった子どもを祈念して、男子は『ひこ(彦)』と名付け、女子は『ひめ(姫)』とよばれてきた。
そのような意味で、ひ音は、神話的な表現をすれば、天の神々の霊的な力、そのひかりと息吹(声)のひびき、その共振・共鳴の音象だといえる。」
*向井周太郎、「息吹き・風ー『はひふへほ』の風景」より抜粋
「ひ」は「火」で「日(光)」で「霊」…。
ある説には、霊(ひ)がとどまるという意味で「ひと」という。
あれ、なんだか全部おなじに思えてきたのは私だけだろうか?
なにでできているかわかっていないもの、「ひ」。
ひびき、ひかり、ひらめき、ひらき…ひらひら、ぴかぴか、ひたひた、ひそひそ。
波動と大気流の共振現象、万物を生みなす不思議な霊力。
日であり火であり、光であり、霊である、「ひ」がひとつの場所にとどまると「ひと」になる。
なにでできているかわかっていないものは、何?
旦那さんの答えも、まんざら間違っていないような気がしてきた。
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